Airbnbで学ぶ シェアリング・エコノミーによって広がる無限の可能性

こんにちは、福岡大学4年の三角です。
2017年4月7日(金)、民泊を行う人に向けた、民泊のやり方/魅力・実例について、民泊サービスの一つである、Airbnb(*1)認定ホストの大津山訓男氏による「最新シェアエコ民泊事情in福岡」のセミナーが実施されました!

前半は、大津山氏から民泊を例にしたシェアリング・エコノミー(*2)について説明があり、後半は実際にAirbnbを用いたビジネス例の紹介。最後は、参加者同士のグループに分かれてシェアリング・エコノミーのビジネスについてのディスカッションが行われました。

(*1)Airbnbとは・・・
シェアリング・エコノミーの「スペース(場所)のシェア」にあたるサービス。
インターネットを通じて部屋を貸したい人(ホスト)と泊まりたい人(ゲスト)をマッチングさせる仕組み。

(*2)シェアリング・エコノミーとは・・・
個人の所有している遊休資産をインターネットを通じてシェアすること。シェアリング・エコノミーのビジネスはC2C(消費者から消費者へ)のビジネスモデルで、AirBnBの他には、メルカリやUberなどが有名。
参考:これさえ読めばわかる!シェアリングエコノミーとは

講師紹介

大津山 訓男 氏

実業家、ITコンサルタント
airbnb認定スーパーホスト(宿泊評価の高い貸主に与えられる称号)

外資系大手企業に就職後多くのベンチャー企業の上場や海外進出を支援する。2011年3月11日に発生した東日本大震災ICTを活用した東北復興に取り組んでいる中、Airbnbと出会う。

 

目次

  1. B2Cモデルの限界
  2. Airbnb
    1. ホテルとAirbnb
    2. 民泊の規制
  3. 実際の事業例
  4. 最後に

│1.B2Cモデルの限界

大津山さん曰く、従来のB2C(企業から消費者へ)のビジネスモデルが限界を迎えているそうです。

要因は2つ。
①ネットの普及
インターネットが発達により、自分で情報を得て行動することが可能になったからです。「モノ」が余っている現在において、その資産(遊休資産)を使ってビジネスを始めようとする動きから、C2C(消費者から消費者へ)のシェアリング・エコノミーのビジネスが発展していっています。

②シェアの時代
これからのビジネスは商品を売るのでなく、手元にあるものを他の人に「シェア」したり、自分の空いた時間を使って別の仕事をしたり、個人間でやり取りができるプラットフォームを提供するようになるからです。これまでとは大きく変わった社会になっていくと予想されます。

 

│2.Airbnb

ホテルとAirbnb

ホテル業界では、一般的にフロントマネージャーになるのに15年かかると言われており、ホテルのオーナーになるまでにはかなりの時間が必要となります。
しかし、Airbnbではサイトに登録するだけでホストになることができ、その時点でホテルのオーナーになることができるのです。
また、宿泊料金はホストが決めることができます。

実例としては、台湾人や中国人に人気の結婚式場では、ホテルの宿泊料金は一人5万円で、親族の分を合わせると相当な金額になります。
しかし、大津山さんの所有している物件に宿泊した場合は20人で5万円だそうです。
同日最安値のAirbnbと楽天トラベルのビジネスホテルとの比較(2016/6/10時点)


http://soono.info/airbnbcompareより

上の図からもわかるように、楽天トラベルのホテルを使用した場合と比べ、ドミトリーだと33%、個室は60%の価格で宿泊することができます。このことからAirbnbを使用して民宿に泊まる方がホテルに泊まるよりも圧倒的に安い金額で宿泊することができます。

 

民泊の規制について

単純に民泊を運営するといっても、簡易宿泊所(以下、簡宿)として運営許可を持っているかどうかで、その後の運営に大きな違いがでてきます。
運営許可を所有していれば、簡宿として民宿を運営できます。

しかし、運営許可を持っていない場合は、運営できる期間が180日(半年間)と短いので、運営するための費用(賃貸料など)を考慮すれば、一般的な民泊の2倍の売り上げを出さなければいけません。

簡宿としてやっていくならば、民宿を運営している人が集まるコミュニティーで、効率よく運営許可を取る方法を考えればよいかもしれません。

 

│3.実際の事業例

事業例①

地方では、民宿をAirBnBに登録して、現地のガイドビジネスをしたり、農業体験や有田焼きカフェなどを開催しています。今までになかった観光が、東京など都市部の人たちや外国人観光客に人気です。

そこで、旧安心院町では会員制の仕組みを導入して解決した。

つまり、不特定多数を対象とするのではなく、宿泊者は会員になってもらい、「特定の人」として宿泊をしてもらうという方法だ。
そして宿泊料の代わりに「農村文化体験料」を謝礼として受け取る。

こうした発想の転換で、農家等は設備を整えるための新たな改築等をせずに「農家民泊」を行うことができるようになった。

− 農村民泊で地域活性化~安心院 (大分県宇佐市) ー

事業例②

不動産オーナーが、古い物件をオシャレにリフォームすることで古家不動産再生化を図り、その物件や空き物件を民宿として貸し出しています。

 

国土交通省は、空き家活用の一環として、「民泊(みんぱく)」が考えられるとしています。

今年6月30日、内閣は「規制改革実施計画」の中に、イベント時に限って民泊を可能とすることや、農家民泊の対象の拡大という規制改革を盛り込みました。

旅館業法を所管する厚生労働省は、その翌日に、イベント時に限って行われる民泊を事実上認めることと、農家民泊の対象拡大の検討を自治体向けに示しました。

これらの規制改革により、空き家活用のメニューとして民泊が利用できる可能性が広がっています

空き地と活用と民泊

事業例③

東京大学の学生である龍崎さんは、京都に古びたペンションを購入し、リフォームしました。 そして、そのペンションをAirbnbで貸し出した結果、1年間で7000万円の収益を得ることが出来ました。

彼女は、Airbnbを利用してホテルを経営するというアイディアに共感した母親とともに、北海道富良野市にあった中古のペンションを一軒買いました。

最初は小さくていいんだ。小さなものをいくつも売ればいい。

そこから大きくしていけたらいいんだ。

彼女は若干19歳にして夢を叶え始めたのです。

− 在学しながらホテル経営! ホテル王を目指す東大女子・龍崎さんに迫る ー

現在、日本には年間2400万人ほどの外国人観光客が訪れており、その数は増加傾向にあります。

さらに、2020年には東京オリンピックを控えているということもあり、その数はますます増加するでしょう。
しかし、現在の観光客は、主にアジア圏内の短期滞在者が圧倒的多数となっています。
今後は、そういったアジア圏内の短期滞在者ではなく、ヨーロッパ圏内の長期滞在者をターゲットにすることで民泊も継続して収益を得ることができ、旅行客が観光することで地域も収益を得ることができます。

│4.『民泊から民旅へ』

最後に、参加者がテーマ毎でグループに分かれ、シェアリングエコノミーのビジネスアイディアを出し合いました。

ホスト・ゲストとしてAirbnbを利用した人や自治体で町おこしを考えている人が、自分の経験や考えを皆んなに共有し、セミナー終了後にはFacebookのグループができるなど、とても熱いセミナーになりました。

民泊が自治体や地域の事業とマッチングさせることで地方活性化の力になる。
シェアリングエコノミーという個人間でおこなわれるビジネスが人という枠を超えた新たな発展に繋がっていってます。

今後の日本経済を変えていくのは間違いなく、「シェアリングエコノミー」であると改めて実感するイベントとなりました!


以上が、4月7日に行われた大津山氏によるセミナーの内容となります。

「もっと民泊について知りたい!」「民泊って今後どうなるの!?」という方におススメなのが、「民泊大学」というサイトです。
また、こちらのサイトには今回のセミナー講師を務めていただいた大津山氏のインタビュー記事もございますので、ぜひご覧ください!

「『民泊』から『民旅』の需要に着目して稼ぐ」大津山訓男さん【第1回講義】

 

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